八千代鮨

八千代鮨は昭和32年に創業しました 神楽坂本多横丁で頑固に江戸の味を守っています

TEL.03-3260-6389

〒162-0825 東京都新宿区神楽坂3-1

#石垣貝

令和6年 夏の3ネタ まとめ(前半戦)

一般的にはなっていませんが、10年ほど前から個人的に 石垣・新子・新イカを「夏の3ネタ」と称しています。今年の夏も猛暑が続き、この3ネタにも少し異変がありました。備忘録として整理しておきます。

①石垣

正式には「エゾイシカゲ貝」と言います。「石垣」というと南の貝と思われますが、豊洲に入荷されるほとんどは陸前高田の広田湾で養殖されている「イシカゲ貝」です。初めて築地に持ち込まれたときに市場の人が「イシカゲ」を「イシガキ」と聞き間違えた事に由来すると言われています。豊洲市場に移った今でも河岸では「石垣」で取引しています。
赤貝などの貝の入荷が少なくなる時期に入荷が始まり、毎年助かっています。例年は7月~9月に入荷があります。


今年の石垣は7/8頃に入荷が始まりましたが、良い貝が少なく全体的に小ぶりでした。
入荷が少ないためか価格も高く、7月中で出荷が終わってしまいました。
仲買に聞いたところ「海水温が高すぎて出荷前の貝が死んでしまったのではないか?」と言っていました。とてもデリケートな貝です。

②新子

夏の3ネタの大本命が新子です。
新子は小肌の赤ちゃんで、毎年6月下旬より8月いっぱい楽しめます。
例年6月初旬から入荷が始まり、しばらくの間は入荷量も少なく大変高価で取引されます。そのため初入荷から2~3週間で九州有明産新子の出荷が始まると入荷量も増えて値段が落ち着きます。


今年の新子は九州産の入荷が遅くなり、7月中旬まで値段が下がらず、当店の初仕入れは7/17になりました。仕入れが遅くなったせいか最初から3枚付けでのスタートでした。
ここ数年九州では梅雨末期の豪雨が続き災害級の大雨が降るようになりました。そのため漁に出られず出荷が遅くなっていると思います。
また魚の成長も早く7/22の週からは2枚付けに、8/5の週からは1枚付けのサイズになってしまいました。例年では1枚付けサイズに成長するのはお盆休み明けなので、半月ほど早い気がします。

③新イカ

夏の3ネタの大トリは新イカです。これは墨イカの赤ちゃんで、毎年7月下旬から始まり9月いっぱい楽しめます。新イカは本体も柔らかく美味しいですが、ゲソがおすすめです。


当店では7/27より仕入れました。今年も熊本・鹿児島から入荷して2枚付けでスタートしましたが、こちらの成長も早く8/5の週からは1枚付けサイズになりました。例年では1枚付けサイズになるのはお盆休み明けになるので、こちらも半月ぐらい成長が早い気がします。
新イカの場合は産地が九州→四国→本州と北上してくるので、お盆休み明けの河岸が楽しみです。

今年のお盆休みは猛暑・地震・台風と落ち着かない1週間ですが、漁師の皆さんが苦労して捕ってくれた自然の恵みに感謝して美味しく頂いていきたいと思います。
お盆休み明けの魚にも期待して下さい。

陸前高田の「つるかめ鮨」さんが新装開店しました

陸前高田 嵩上げ地区の中心地に「つるかめ鮨」さんの本設店舗が開店したので、親父さんと息子さんに会いに行ってきました。
7年半の間に仮設店舗を2軒代わって、ようやくここに本設店舗を構えることになったそうです。場所は、嵩上げ地区の中核となる大型商業施設「アバッセたかた」のすぐ隣になります。

当日は予約のみの貸切営業でしたが、遠方より開店を祝うお客様がひっきりなしに来店して、仕込み場は戦場の様相を呈していました。呑気に飲んでいる状況ではなくチョットだけお手伝いをさせていただきました。

つるかめ鮨の皆さんお邪魔しました。お元気そうで何よりですが、くれぐれもご自愛下さい。

皆さん近くにお越しの際はぜひ遊びに来て下さい。

〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町字大町50
☎0192-54-2998

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今回の目的はつるかめ鮨さんのお顔を見ることでしたが、三陸に来るとどうしても素通りができない場所が何カ所が有ります。

その1:広田湾のイシカゲ貝の生産者さん

 

ちょうど作業の最中で組合長の熊谷さんもいらっしゃいました。

貝の選別をしていると稚貝が出てきます。小さいうちからとても元気で、手の上にのせていると逃げようと暴れ出します。砂の中に潜っていないと落ち着かない習性とのことでした。ただ、好みの深さがあるようで、人が砂に埋めると窒息してしまうという何ともデリケートな面もあるようです。もともとここ広田湾に野生で生息しているそうで、底の砂をすくうとイシカゲ貝がいるそうです。
最初はトリ貝の養殖を目指していましたが、うまく育たず夏を越せなかったそうですが、その中から見慣れない小さな貝を発見して調べたところエゾイシカゲ貝の稚貝であることがわかり、この貝の養殖を手がけることになったのだそうです。もともと広田湾に生息しているので、環境が適していて現在に至ったということです。

養殖用のカゴにはにはビッシリとムール貝が住み着いています。「ムール貝も養殖するのですか?」と聞くと「こいつらは厄介者だ!」とのことでした。とても手のかかる貝で出荷しない時期も選別などの作業があり、年間で10ヶ月程度貝の世話をしているそうです。そして2年で出荷できる大きさに育つとのことでした。今年は10月中旬頃まで出荷する予定とのことです。

その2:石巻・女川

石巻の象徴的な看板のある場所です。

この一帯は公園として整備が進められていて、この看板の場所も来る度に場所が変わっています。
模型を見ると、この場所にはたくさんの家があったことが分かります。最初に来たときは、家などのがれきはキレイに片づいていて広大な空き地でしたが、足下を見ると家の基礎が残っていて、かつてここに家が建っていたことがわかりました。

 

旧大川小学校跡地です。

無残な校舎が津波の爪痕を残していますが、まわりは広大な空き地になっています。ところがここもジオラマを見ると、かつてはまわりには住宅が建ち並び賑やかな町で会ったことがわかります。現在の風景を見ると、河口からも4Km近くあり、こんな穏やかな川が町を飲み込むとは想像できません。

日和山公園です。

震災後3年目のゴールデンウィークに初めて訪れた場所です。この時にはがれきが片づいた後であったため、TV等で見ていた景色と違い拍子抜けするぐらいキレイな空き地が広がっていました。ところが公園の柵にある、かつての街並みの写真を見て衝撃を受けました。また、1人のおじいさんが観光客に震災当時の状況を語っていて、この時に津波の本当の怖さを教わりました。それまではニュース等で分かっているつもりでしたが、現地に来て被災された方の話を聞いて皮膚感覚で地震の怖さを理解したように感じました。これまでは,観光で被災地に訪れると『迷惑にならないかな?』という思いもあって、なかなか足が向かなかったのですが、この時『話を聞いてほしい被災者がいるのでは?』という思いがして、以後 三陸に来るようになったきっかけの場所でもあります。

女川です。

ここに初めて来たときは、ニュース映像で見たとおりにビルが横倒しになったままになっていました。実際の津波の怖さを初めて目の当たりにした場所になります。この町もまわりでは復旧工事が進められていますが、中心施設は早々にオープンしました。この町は高い防潮堤を作らず、海と共存することを選択しました。そのため、どこからでも海が見えるように設計されていて『いざとなったら高台に逃げる』という復興計画をした数少ない町です。

被災地を自動車で走ると据え付け型のカーナビは役に立たないことが多くあります。復興が進み頻繁に道路が付け替えられるためです。そのため、スマホのカーナビが活躍します。こちらは地図の更新が素早く新しい道もナビゲートしてくれるからです。ところが今回はスマホナビも役に立たない場所が複数ありました。車で走っていても、かつて無いほど、実際に作業している工事現場や作業用の車両も見ました。2020年に復興予算が打ち切られるという話も聞くので、作業が急ピッチになっているのかもしれません。大型商業施設も各地でオープンしています。

これからもアクセルを踏める間は三陸に行こうと思っています。

イシカゲ貝(石垣貝)の入荷が始まりました(H30.7.30)

台風一過 蒸し暑い夏が戻ってきました。
出荷が遅れていました陸前高田産の「イシカゲ貝(石垣貝)」の入荷が本日より始まりました。
皆さん是非!

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