GoToEatポイント還元事業については、うちの様な小さな店は関係ないと思い、当初は参加しないと思っていました。
9月某日、弊社最高経営会議で副社長と仕入担当部長から「やらないの?」との疑問が出て、「まあ、やるだけならタダか」と思い、当初から契約している予約サイト2件に申請をしました。因みに当店の従業員は自分も含めたこの3名で全員です。
10月第2週になるとチラホラと予約が入るようになりました。もともと当店はオンラインで予約が入ることが少ない事もあったので、1件入る度に大喜びしていました。
そうしていると、ちょっと気になる事が2点出て来ました。
1.予約時間を過ぎてもお客様がお越しにならない
2.予約サイトAばかり予約が入り、Bは一切入って来ない
1.に付いては以前から実害が出ていました。原因は近隣に似た名前の飲食店がある事と思われます。HPなどで「うちは違います!」と告知するのも野暮だと思い、またそれ程多くないオンライン予約なので致命傷には至らず、放置してきました。それと、経験的に危ないと感じた場合は電話やメールで個別に対処して来ました。
しかし今回の場合はランチの予約が多く、15分遅れただけでも予約無しでご来店される常連さんをお断りする事となり、Wの損害が出ました。
そこで対策として予約確認のメールに「場所を確認してからご来店下さい」旨の一文を表示するようにしたところ、ドタキャン騒動は収束しました。ただ、メールを読まないと思われる方も若干いらっしゃいましたが^^;
2.についても苦労しました。予約サイト自体のシェアの問題なのか、登録内容に誤りがあるのか、または予約システム自体に問題があるのか...
結果的には全てが複合的に絡んでいたようでした。登録内容に若干の間違いはありましたが、検索時に全く表示されないのはシステムの誤りだったようです。またシステム的な不具合が解消してからも、AとBの予約比率は5:1程度でした。予約サイトとのやりとりで、この問題が解決するのに10月末までかかりました。
そうこうしているうちに、10月3週目になるとありがたい事にランチタイムは予約だけで満席となる日も出始めました。そんなこんなでアタフタとしていましたが、予約の枠は1時間なのに対して、平日のお客様の食事時間はお出ししてから大体15分、入店してからも30分以内が大半でした。そのため予約で満席でもスキマ時間が出来る事が分かり、予約無しで来店される常連さんをお断りしなくて済むようになりました。ただし、土曜日のお客様は滞在時間が長くなるので注意が必要でした。
そのための対策としては、通常は仕入担当部長(息子)と2人で河岸に行っていましたが、どちらか1人で行くようにしました。帰り道の渋滞で遅れてしまった場合のリスクを回避し、1時間早く開店準備をするためです。また、予約時に注文が決まっている分のネタの切り付けは予め準備しました。しかし、握るのだけはお客様が来店してからにしました。これは2つの意味があります。握りたてをお客様に提供するのと、ドタキャンでのダメージを最小限するためです。
さらに11月に入ると付与されたポイントをごご利用なさるお客様が増えてきて、レジがパニックになりました。ポイント・地域共通券(紙・デジタル)・現金・カード・PayPay・・・今までに経験が無い組み合わせの会計が副社長(妻)を襲いました。これについては、カレンダーシェアアプリに来店情報を登録し、みんなで情報を共有することで、だいぶ負担を軽減することが出来たと思います。
アプリに予約情報を登録する作業は社長である自分が担当しました。ランチの予約は朝9時迄受け付けていました。本来ならば来店直前まで予約を受け付けた方がお客様にとっては利便性が高いのですが、うちのような小さな店だと、仕込みが始まってしまうと入った予約の確認が出来ず、ダブルブッキングをしてしまう可能性があるので締め切り時間を設けました。
大方の予約は前日までに入っているので、ダブルブッキングを防ぐために寝る前に予約サイト双方の予約を調整して、アプリに入力するのが日課となりました。当日は仕込み前に情報が確定し、1日が始まります。副社長はこの情報を自分が見やすいように手書きしてレジに張り、仕込担当部長(これも息子です)にも1部手渡していました。
以前は当店のランチはそれほど忙しく無かったのですが、1ヶ月ほど慌ただしい日々を送っていたある日、今まで以上に予約が入ってきました。正直、恐怖を覚えるぐらいの量でした。しかも、昨日までとは傾向が違いました。今までは来店日直前の予約が大半だったのですが、中には来年1月の予約まであるのです。仕事が終わってニュースを見て理由がわかりました。ポイント事業の予算が当初の計画より早く終了する旨の報道があったのでした。そのため駆け込みで予約されたようです。予約サイトの処理もパンクしたようで、金曜日の夜に始まった駆け込み予約が落ち着いたのは日曜日いっぱい掛かりました。また、月曜からは「予約サイトが止まってしまった?」と思われるぐらい予約が入らなくなりました。
GoToEatポイント事業の総括です。
・予約の大半はランチの1人客、2人客は3割、3人以上は1割程度。
・夜のご予約も1割程度でした。
・常連さんは、ほぼ利用無しでした。
あくまでも当店の場合ですが、近隣で仕事しているお客様が毎日の昼食で利用するケースが大半だったように思います。また、常連さんは昼・夜とも利用が少なかったのは「店に迷惑が掛かるのでは?」と思っていたからだったようです。「税金を使った事業なので店の負担は無い」と説明すると「面倒だからいい!」と言われました。
参加した飲食店が少なかったこともプラスになったと思います。個人店で予約サイトを利用している店は元々少なく、また、コロナ禍で予約サイト利用料の負担も重く「やめてしまった」という話も聞きました。金銭的・事務的な負担も大きくなるので仲間の店にも薦めづらい状況でした。
この事業を切っ掛けに初めて来店されたお客様も沢山いました。当店の感染対策を褒めて頂いたことは本当に嬉しく思いました。特に「マスクケース」の配布は大変喜んで頂きました。今はビニール製のケースを使っていますが、紙製のケースにすれば飲食中の会話時に口元を隠すのにも使えて一石二鳥だと思いました。
それでも先週からは、獲得したポイントを利用したリピーターの予約が入り始めました。これからはGoToを切っ掛けに来店頂いたお客様が「また食べに行きたい」と思って頂けることを願っています。
令和2年11月22日 店主
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